Visaはリブラプロジェクトに引き続き関心を持ち続ける
決済大手のVisaはフェイスブックのリブラプロジェクトから離脱しましたが、デジタル通貨分野への進出を諦めておらず、いずれプロジェクトに復帰することもあり得ると認めています。
Visaの会長兼CEOのアルフレッド・ケリー氏は、リブラが各国の規制当局から厳しい批判にさらされたことにショックを受けたことをを認めた上で、次のようにコメントしています。
その時、我々はプロジェクトからの離脱を決めました。
リブラが規制要件を満たせるとは思えなかったからです。
しかし、Visaとフェイスブックのつながりが途切れることはありませんでした。
我々は今もリブラプロジェクトに興味を持ち続けており、継続的に話し合いを続けています。
リブラは、確実に前進しています。
リブラは何をしようとしているのか、そして決済エコシステムにどのような価値をもたらすのかといったことに、非常に強い関心があります。
仮想通貨とデジタル通貨は区別されなければならない

ステーブルコインの運営者や各国の中央銀行がCBDC(中央銀行デジタル通貨)プロジェクトを立ち上げようとしていることは、決済大手のVisaによっては、良いニュースになっています。
ケリー氏は、次のように述べています。
仮想通貨と、法定通貨に裏打ちされたデジタル通貨は区別されなければなりません。
デジタル通貨は、非常に大きな可能性を持つ、新しい決済技術です。
我々は、それを支援したいと考えています。
ビットコインなどの仮想通貨は、従来の通貨の代替品として期待されていますが、実際には多くの人は利用するためにビットコインを購入するのではなく、資産として保有するために購入しています。
ケリー氏は、デジタル通貨は「現金への依存から脱却させ、銀行口座を持たない人でも最適の金融サービスを利用できる」ものだとしています。
さらにケリー氏は、次のように語りました。
モノやサービスの代金として受け入れられるのであれば、その一つとしてデジタル通貨を採用しないという選択肢はありません。
Visaは昨秋、多くの金融決済業者とともにリブラプロジェクトからの脱退を発表しました。
しかしVisaは明らかに新たなデジタル通貨分野に力を入れています。
米国特許商標庁は先週、Visaが「プロックチェーンを利用したデジタル不換紙幣システムに関する特許」を登録したことを発表しています。
まとめ
多くの規制当局からの批判にさらされ、計画の見直しが行われているリブラプロジェクトは、昨秋に多くのメンバーが離脱するという事態に見舞われました。
その時の離脱メンバーの一つがVisaですが、改めて参加するという展開もあるのでしょうか?
世界的な決済企業のVisaが改めてメンバーに加わることになれば、決済分野の他社の動きにも大きな影響を与えそうです。
ここにきて大きく修正が加えられたプロジェクトの発表や、世界金融に精通した大物人材の登用など、リブラは目に見える形で大きく動き出しています。
Visaの今後の動向は、リブラプロジェクトの進展にも大きな影響を与えることになります。
(VisaのCEO「リブラへの復帰の可能性はある」「ビットコインは一つの商品」)