リブラ協会にシンガポールの政府系機関が加盟
シンガポールの政府系投資ファンド・テマセクが加盟
シンガポールの政府系投資ファンド・テマセク(Temasek)が、リブラ協会に加盟したことが発表されました。
テマセクは、リブラ協会に加盟した初めての国が関与する企業になります。
リブラが当初発表したプロジェクトの中で、新しい通貨は複数の法定通貨とバスケット方式でペックさせるとしており、その中にシンガポールドルも含まれていました。
もともとリブラの中でシンガポールは重要な国として認識されており、今年4月に発表された新しいプロジェクトでも、米ドル、ユーロ、英ポンドと並んで、シンガポールドルにペックされたステーブルコインを発行する予定としています。
テマセクはシンガポール政府の2,160億ドルの資産を管理しており、以前からブロックチェーン・ベンチャーに興味を示していました。

今回の件について、テマセクのチャ・ソン・ウィ副CEOは次のようなコメントをリリースしました。
ブロックチェーン技術は、コスト効率を高め、新たなビジネスチャンスを生み出し、金融の利便性を加速させることで、決済ネットワークに変革をもたらすことができます。
様々な分野での影響をよりよく理解するために、私たちは政府機関や関係企業との協力のもと、ブロックチェーンの利活用について模索し、推し進めていきます。
テマセクと同時に2つの金融系企業が加盟
リブラ協会はセマテクと同時に、米サンフランシスコに拠点を置く2つの仮想通貨投資会社の加盟も発表しました。
パラダイム(Paradigm)とスローベンチャーズ(Slow Ventures)の2社も加わったことで、リブラ協会は27の組織によって構成されることになりました。
パラダイムの共同設立者フレッド・エルサム氏は、次のように述べています。
より大きなユーザー層へのサービス提供は、ブロックチェーン業界の次のステップです。
仮想通貨を社会的に流通させ、大きな規模でサービスを提供できるネットワークは非常に魅力的です。
リブラ協会のダンテ・デスパーテ副会長は、今回の件について次のようなコメントを発表しています。
今回、3社を新たなメンバーとして迎えることができました。
リブラの決済システムのガバナンス、技術的なロードマップ、ローンチの準備などに多大な貢献が期待でき、我々が多様な組織とともに成長するという目的に合致したものです。
リブラ協会は、当初は2020年前半のうちに100社の加盟を目指していましたが、規制当局の度重なる批判を受けたことで計画が遅れ、いくつかの設立時のメンバーは離脱していきました。
その後リブラプロジェクトは大幅に見直され、現在は少しずつ確実に前進しています。
まとめ
先日の報道では、リブラ協会は国際的な金融分野のスペシャリストとして、スチュアート・リービー氏がメンバーに加わったことを発表しました。
リブラプロジェクトが最初に発表されて約1年が経ちますが、それからの1年間は、リブラにとって試練の年となりました。
多くの国の規制当局から非難を集め、多くの有力企業がプロジェクトから離れていきました。
しばらくリブラに関するニュースは途絶えていましたが、最近は見直されたプロジェクトのリリース、金融界の大物の採用、そして政府系機関の加盟と明るいニュースが見られるようになってきました。
依然としてリブラに厳しい視線を向ける国もありますが、これまで誰も成し遂げていないことをやろうとしているわけで、その道が容易いわけはありません。
リブラプロジェクトが完成したら、世界の金融決済は大きく様変わりします。
まだ誰も見たことがない未来を、リブラに期待しましょう!
(リブラ協会に政府系機関が初めて加入)