『仮想通貨』は『ユーザーの財産』
仮想通貨取引所クリプトピア(Cryptopia)の破産による財産の取り扱いについて、ニュー次ランドの裁判所は、クリプトピアのユーザーは資産を受け取ることができるとの判断を示しました。
ニュージーランドでは初めてとなった仮想通貨取引所の破産に関する裁判で、裁判官は仮想通貨を「ユーザーの財産である」と認めました。
つまり、クリプトピアに仮想通貨を預けていたユーザーに、資産を割り当てるということです。
ニュージーランド・クライストチャーチの高等裁判所で、ジェンドール裁判官は、仮想通貨は1993年に施行された会社法に基づく資産の定義に含まれており、無形資産であると結論付けました。
ジェンドール裁判官は、次のように述べています。
私は、クリプトピアに保管されている仮想通貨は無形資産の一種であり、明らかに価値のあるものだという結論に達しました。
仮想通貨は単なる情報であり、それゆえに財産でないという主張は的を外れたものです。
クリプトピアはこのことを受け、ツイートで「保有している仮想通貨はユーザーのものであり、会社の資産ではない」と表明しました。
このことは、今後のクリプトピアの清算において大きな意味を持ちます。
クリプトピアが破産したことを受け、クリプトピアに対する債権者と、ユーザーのどちらが優先して資産を回収できるかが争点になっていました。
今回の判断は、クリプトピアのユーザーにとって大きな後押しとなります。

ハッキングによる大規模な盗難被害に遭った後、クリプトピアは破産の憂き目にあいました。
現在、クリプトピアには約1億7000万NZD(約110億円)の資産が残っています。
その資産は、約80万人のユーザーに分配されることになります。
ユーザーへの清算は、37社(人)の債務者と90社(人)の株主に先んじて行われることになります。
まとめ
仮想通貨の黎明期を支え、草コインの宝庫として世界中に愛好者がいたクリプトピア。
しかし2019年1月に大規模なハッキングによる盗難事件が発生し、その影響から破産を余儀なくされました。
今回の決定は、クリプトピアのユーザーをほっとさせるとともに、改めて仮想通貨は資産であることを認めたものです。
そして、ユーザー保護の観点からも、仮想通貨愛好者にとっては朗報と言えます。
とはいえ、被害に遭ったユーザーの元に返ってくる資産は半分にも満たず、時期や方法についても今のところ未定です。
徐々に仮想通貨投資の環境が整いつつあることを感じますが、いかに自分の資産を守るかということも、これまで以上に投資家に求められています。
(クリプトピアのユーザーは資産を受け取る権利がある:ニュージーランドの裁判所)