半減期による利益率悪化で多くのマイナーが閉鎖?
5月12日に3回目となるビットコインの半減期がおとずれ、ネットワークを支えるマイナーに支払われる報酬は、1ブロック当たり6.25BTCと半分になりました。
マイニングプールPoolinのアレハンドロ・デ・ラ・トーレ副社長は、ビットコイン全体のハッシュレートの15~30%を占めるマイナーは、利益率の悪化に伴い、閉鎖のプロセスに入っていると考えているようです。
ビットメイン社の「S9」マイナーを代表とする旧型のマイニングマシンを主力として採用しているマイナーは、高い電気料金が必要となるため、大きく影響を受けることは間違いありません。
デ・ラ・トーレ氏は、半減期を前に、次のように分析していました。
マイニング報酬が12.5BTCのときのマイニングの難易度調整は、今回の半減期の約1週間前に行われます。
この調整で、マイニングの難易度は上昇します。
この難易度は2週間に1度のため、半減期前の難易度は、半減期の1週間後まで続きます。
その間、赤字になるマイナーはマイニング事業をストップさせるため、マイニング速度は遅くなるでしょう。
報酬が半分になることで離脱するマイナーのハッシュレートは、最大30%になると推測しています。
ビットコインの価値が2倍にならなければ厳しい状況へ
ビットコインの半減期はマイナーの収益に大きく影響するため、彼らは大きな環境の変化を乗り越えなければなりません。
一部の専門家は、ビットコイン収入が半減しても、価値が大きく上がれば、相対的に元の収益に戻るとしています。
過去の半減期を参考にした場合、ビットコインの価値が2倍以上になるということは十分に考えられることです。
しかし思ったほどビットコイン価格が上昇しなければ、旧型のマイニングマシンを利用しているマイナーは、市場からの撤退を余儀なくされます。
デ・ラ・トーレ氏は、マイナイングについて次のように述べています。
マイニングは、生き残りをかけた長いゲームです。
新しいマイニングマシンへの移行や、より安価な電力を見つけることに失敗したマイナーから、市場を離れることになります。
(我々のライバルの)マイナーの多くが半減期の影響で撤退することを期待していますが、このイベントを乗り切ることができるマイナーも大勢いるでしょう。
ビットコインのマイニング報酬は、最初は50BTCでした。
最初の半減期は2012年で、報酬は25BTCになりました。
2度目の半減期は2016年で、報酬は12.5BTCになっていました。
インフレを抑えるために、およそ4年に1度のペースで、市場への供給量が減らされています。
まとめ
ビットコインのマイニングによって収入を得ている場合、最初から分かっていたこととはいえ、半減期によって収入が半分になるというのは非常事態です。
ビットコイン価格が2倍になれば相対的に影響はなくなりますが、果たして思っている通りになるでしょうか?
また、ビットコイン価格は長期的に上昇するという意見は多く見られますが、2倍になるのに時間がかかるようだと、それまで経営体力がもたないマイナーも多くいると思われます。
電力効率の良いマイニングマシンはメーカーからのリリースが遅れ気味で、新たなマシンに移行するつもりでも、物理的に間に合わないマイナーもいるようです。
生き残るのが大手マイナーだけになってしまうと、すでに問題として取り上げられることも多い、権力の集中化が進むことにつながります。
ビットコインの価格変動が気がかりですが、マイナー達の動向にも注目しておきましょう。
(ビットコインの半減期で収益率が悪化すると、最大30%のマイナーが撤退)