ハッキングの目的は仮想通貨のマイニング
米ニュースサイトのZDNetによると、仮想通貨マイニングのためのハッキングがヨーロッパ各地のスーパーコンピュータで相次ぎ、シャットダウンを余儀なくされています。
現時点で、イギリス、ドイツ、スイスのスーパーコンピュータと、スペインのハイパフォーマンスコンピュータが被害に遭っており、コンピュータのクラスタを制御するノードが、マルウェアに感染したと見られています。
これらのハッキングは、最近の一週間で発生しています。
セキュリティ研究社でCado Securityの共同設立者でもあるクリス・ドーマン氏は、このマルウェアは、スーパーコンピュータの高い計算能力を利用して、仮想通貨モネロ(Monero/XMR)をマイニングするために設計されたものとのことです。
今回の件でシャットダウンを余儀なくされたコンピュータの多くは、コロナウイルスの研究にも使われていました。
研究者たちは、コロナウイルスに対抗するためのワクチン開発に、コンピュータを利用していました。
ハッカーは、マシンのアクセス権限を持つ人物の認証情報を何らかの手段で取得し、それによってコンピュータにアクセスしたと見られています。
ハッキングに使用された認証情報は、カナダ、ポーランド、中国の研究者のものだったとのことです。
専門家は、今回の件が全て同一犯であるとの証拠はないものの、マルウェアの種類や特徴に類似性があるため、何らかの関係がある可能性は高いと指摘しています。
ZDNetによると、仮想通貨のマイニングを行うためにスーパーコンピュータにマルウェアがインストールされたのは、今回が初めてではないとのことです。
しかしこれまでに発生した事件では、従業員などの関係者が、個人的な目的で違法にマルウェアをインストールしていたというものでした。
2018年に、ロシアの原子力センターでエンジニアが逮捕されたという事件がありました。
しかし、今回のようにハッキングによってスーパーコンピュータにマイニングのためのマルウェアがインストールされたのは、初めてと見られています。
まとめ
世界が一丸となってコロナウイルスに立ち向かっている最中、それに水を差す事件が起こりました。
コロナウイルスのワクチンや特効薬は、世界が今必死になって見つけ出そうとしているものです。
こうしている間にも、多くの人が罹患し、亡くなっています。
犯罪者に道徳を説くというのは無駄なことかもしれませんが、今回の事件は許せない気持ちで一杯です。
(コロナウイルス研究のスーパーコンピュータがハッキングによってマイニングソフトをインストールされる)