ブテリン氏が今年7月のローンチを認めた?
イーサリアム(ETH)の考案者ヴィタリック・ブテリン氏から、イーサリアム2.0(ETH2.0)のローンチは今年7月には行われないということが明らかにされました。
今週の初め、ETH2.0のローンチ日程について、情報が錯そうしていました。
ブテリン氏がインタビューで7月のローンチを認めたことが発端でした。
ブテリン氏は「ETH2.0は7月にローンチするのか?」という質問に対し、「イエス」と答えましたが、その後、ETH2.0テストネットの構築を行っているアフリ・スクーデン氏に訂正されていました。
スクーデン氏はブテリン氏の発言の後にツイートし、最終テストはまだ実施段階に達しておらず、立ち上げられていないことを公表しました。
さらに、「ブテリン氏は7月にローンチすると言ったとは思ってない」とツイートしました。
ブテリン氏もインタビューでの内容について誤解が生じたことを訂正するためにツイートを行い、「質問の中に『7月』という言葉が含まれているのを聞き逃したようだ」と述べ、改めて「7月にローンチすると言ったつもりはない」と釈明しました。
なお、スクーデン氏によると、ETH2.0フェース0は、早ければ2021年後半にローンチされる可能性があるとしています。
PoWからPoSへ
ETH2.0は、フェーズ0がローンチされると、現在のPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Steak)にコンセンサスアルゴリズムが変更されます。
ブテリン氏によると、最初はアプリケーションやバリデータ(※1)をほとんど持たない状態でスタートし、フェーズ1が開始されるとシャーディング(※2)が可能になります。
※1バリデータ:入力されたデータに誤りがないかを判断する機能。またはそのためのソフトウェア。
※2シャーディング:データベースにおける分割手法の一つ。
その後、ETH2.0は完全にPoSシステムとして機能し始めます。
シャーディングによって、イーサリアムはスケーラビリティ問題を解決でき、ネットワークのセキュリティ機能や分散性を損なうこともありません。
ただし、PoSシステムへの移行は、イーサリアムのコミュニティ内で問題として議論されています。
PoSシステムでは、資産家はネットワークの保護と検証のために、コインを保有することで報酬が得られます。
バリデータに参加するには32ETHが必要になるため、資産を多く保有する人が、さらに資産を得ることになります。
一方、イーサリアム財団のダニー・ライアン氏は、PoSシステムはPoWシステムよりも多くの人が参加でき、公平であると述べています。
PoSシステムへの移行はイーサリアムのロードマップに含まれていましたが、その時期については明確に示されておらず、移行の時期が注目されていました。
まとめ

イーサリアムは時価総額では2位に位置し、1位のビットコインとは全く異なるプラットフォーム型の仮想通貨として確固たる地位を築いてきました。
当初からいくつかの段階に分けてのバージョンアップがロードマップで示されており、PoSへの移行も予定されていました。
今回のスクーデン氏の発言によって、早ければ2021年後半にETH2.0がローンチされるということが分かりました。
投資家の間では、早くもPoSによる報酬を得るために32ETHを確保する動きが起きているようです。
ビットコインの半減期の値動きだけにとらわれていると、別の動きを見逃してしまうかもしれません。
仮想通貨の世界は、毎日がとてつもない速さで流れていきます。
(ヴィタリック・ブテリン氏がイーサリアム2.0ローンチの時期を明確に)