中国のマイナーはさらにアドバンテージを得る
中国当局が仮想通貨のマイニング事業に対する姿勢を軟化させた今、中国のマイナー達は他国のマイナーと比べて大きなアドバンテージを持っています。
中国の姿勢の変化は、ビットコインの半減期によってマイナーの収入が減ったことが大きな理由です。
中国で操業している仮想通貨マイナー達は、すでに世界で最も安いとされる電気料金の恩恵を受けてきました。
そして今回、中国政府は彼らに対する大きな補助プログラムを検討しているようです。
その中には、電力料金の割引、設備投資費や人件費の補助などが含まれています。
すでに四川省の雅安市では、水力発電所の雨季の余剰電力を有効利用するために、マイナーの誘致に乗り出しています。
北米のマイナーは中国に対抗できるのか?
こうした中国のマイナーに対し、3~4倍のコストが見込まれる北米のマイナーは、どのように競争するのでしょうか?
世界的なマイナーの動向は、伝統的な製造業と似た構造になっています。
北米でブルーカラーの仕事が減少する一方、電子機器からアパレル産業まで、あらゆる製造業の分野で中国は「世界の工場」になりました。
それによって商品価格が下がるため、多くの消費者はこの変化を歓迎していました。
マイニング産業でも、経済の基本原則の通り、コストの安い方へと流れは向かいます。
マイナーが必要とするマシンや部品のほとんどは、中国国内で製造されています。
中国政府は、他国のマイナーよりも、自国のマイナーが有利になるようなルールを作ることは、安易に想像できます。
このようなルールは、中国の産業界ではよく見られるからです。
ビットコイン・コミュニティが中国にマイナーが集中することに異議を唱えない限り、この流れはしばらく変わらないでしょう。
そして、現在のビットコイン・コミュニティの重要な部分は、中国が握っています。
CoinSharesによると、中国のマイニングプールはハッシュレートの65%を占めており、北米のマイナーは15%にとどまっています。
このことに加えて、中国は国家が直接または間接的に、マイナー達を支配しているという事実があります。
これまでのところ、表立って中国は国としてビットコイン・コミュニティに大きな影響をもたらす動きはありませんが、潜在的な影響は計り知れません。
北米のマイナー達は、単に中国のマイナー達と戦っているというわけではありません。
その背後には、マイナー達を保護する国家が控えています。
北米のマイナー達は、中国のマイナーと比べて、極めて不利な現実に直面しています。
まとめ
これまでビットコイン・マイニングでは中国が圧倒的なシェアを誇ってきましたが、その流れは今後も続くのでしょうか?
ノルウェーやイラン、ウクライナなども、国を挙げてマイニング産業に力を入れ始めています。
しかし中国の『国』としての国民への影響力の強さは、他の国を圧倒しています。
半減期をきっかけに勢力図が一変するかもしれないという記事も見かけますが、中国の牙城を破るのは、並大抵のことではないようです。
(中国はマイナーを支援するのか?)