チェイナリシスが3つのレポートを公表
ニューヨークに拠点を置くブロックチェーン分析企業のチェイナリシス(Chainalisys)は、仮想通貨の違法取引に使用されているメカニズムに焦点を当てた3つのレポートを公表しました。
チェイナリシスは、仮想通貨関連の犯罪を捜査する捜査機関を支援するために情報を公開すると述べています。
ブラック・ホストとナザロ・グループ
最初の報告書では、匿名で利用できるインターネット・ホスト・プロバイダー「ブラック・ホスト」に焦点を当てています。
ブラック・ホストでは、仮想通貨での支払いが可能です。
チェイナリシスは、ブラック・ホストが北朝鮮国家が関与しているとされる「ナザロ・グループ」に利用されているとしています。
ナザロ・グループのビットコインアドレスや、そことの関連性が疑われる個人やグループは、ブラック・ホストを利用しています。
イランの仮想通貨取引所ファハド・エクスチェンジ
次は、アメリカからの経済制裁を受けているイランやロシアで仮想通貨取引サービスを提供している「ファハド・エクスチェンジ」に関するレポートです。
この取引所では2万口座のビットコインアドレスが確認されており、経済制裁の抜け道として利用されているほか、国際的な犯罪にも利用されている可能性を指摘しています。
ねずみ講のフューチャー・ネット
3つ目は、ポーランドに拠点を置く「フューチャー・ネット」と呼ばれる、いわゆるねずみ講組織です。
チェイナリシスは、フューチャー・ネットは、詐欺を行う上で正しく運営されていることや、正当性を装うために設立された企業ネットワークだとしています。
チェイナリシスの狙い
各報告書には、チェイナリシスの調査結果が詳細に記載されており、捜査機関やセキュリティ・コンプライアンス機関などは、これらの企業に対する今後の対応に利用できます。
チェイナリシスが今回レポートを公表したことは、仮想通貨犯罪に加担している可能性が高い企業の特定に取り組んでいることをアピールしたいという狙いがあるようです。
まとめ
グローバルで全ての人に平等な仮想通貨の理念は素晴らしいものですが、それを逆手にとって、犯罪に利用しようとする人や企業、国家まで現れています。
仮想通貨によって実現できる理想郷を目指すには、そういったことを許すわけにはいきません。
チェイナリシスの取り組みは、企業の社会的責任を果たそうとしているように感じます。
世界中の全ての人の幸福のために、チェイナリシスの更なる活躍に期待しています。
(チェイナリシスの新しい報告書は仮想通貨犯罪に焦点を当てています)