コロナウイルスがCBDCへの早期導入への期待を高める
複数のアナリストたちは、各国の中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入を早める可能性があると考えています。
コロナウイルスの感染が急速に拡大する中、人々は現金を使うことをためらっていると国際決済銀行(BIS)は考えているようです。
コロナウイルスの感染についての調査は、クレジットカードやPINパッドを介した感染の可能性について言及しています。
また、紙幣や硬貨といった現金を介した感染は現時点では確認されていないものの、多くの人はそのリスクを恐れています。
その一方で、QRコード決済などの非接触型決済は増加しています。
コロナウイルスの予防的観点から中期的に見た場合、現金の利用機会の減少や、モバイル決済・オンライン決済などの構造の変化につながると考えられます。
このことは、デジタル決済の手段を持たない高齢者にとって、大きな不安材料となっています。
そしてこの解決策として、CBDCがにわかに注目を集め始めています。
国によって運営されるCBDCは、多くの人に普及しやすいというメリットがあります。
ただし、サイバー攻撃などのリスクに耐えうるセキュリティ性と、誰もが便利に利用できるアクセシビリティ性を備えてなければなりません。
BISは、次のように結論付けています。
コロナウイルスのパンデミックによりCBDCへの期待は高まっています。多様な決済手段で利用でき、あらゆるリスクに対応できることが重要です。
日本と韓国のCBDCへの取り組み
韓国の中央銀行・韓国銀行は、CBDCのパイロット版の2021年1月リリースを発表しました。
一方日本では、CBDCへの取り組みは遅れていると言わざるを得ません。
山本幸三衆議院議員(自民党金融調査会会長)は、早期にCBDCに取り組むべきとの意見を明らかにしています。
まとめ
コロナウイルスの急速な感染拡大は、これまで日常的に行われてきた経済活動にも大きな影響を与えています。
買い物などの際、現金やクレジットカード、ポイントカードなどによる物理的な接触を『ゼロ』にすることはできません。
しかし非接触型決済が利用できれば、『ゼロ』に近づけることができます。
これまでの仮想通貨はごく一部の例外を除き、国は規制を行う側の存在で、発行・運営などに関与していませんでした。
しかしデジタル通貨は便利さだけでなく、人々の健康を守るためにも有効であると認められつつあります。
今後は各国で、CBDCへの取り組みが本格化すると思われます。
そして日本においても、世界と肩を並べての取り組みが求められます。
(予想よりも早くCBDCが登場するかもしれない)