Bittrがサービス停止を発表
オランダでビットコイン貯蓄を取扱っていたBittrは、4月28日にサービスを停止することを発表しました。
Bittrは、利用者は定期的に銀行の預金からビットコインを購入できるサービスを提供しており、貯蓄プラットフォームとして利用されてきました。
しかし現在は新規募集を停止しており、創設者のルーベン・ウォーターマン氏はブログを通じてサービスの停止を発表しました。
Bittr Press Releases(APR/24/2020)
ウォーターマン氏によると、オランダ政府による第5次マネーロンダリング規制(AMLD5)によってサービスを提供できなくなったと非難しています。
AMLD5施行の影響

AMLD5は、資金のマネーロンダリングや隠ぺいを根絶させるために、ヨーロッパ諸国で施行されています。
オランダではオランダ国立銀行(DNB)主導で施行されました。
AMLD5は、厳しいKYC(顧客確認)を必要とし、4月21日までに該当する企業は体制を整える必要がありました。
ウォーターマン氏は自身がBittrを運営しており、AMLD5に準拠するためには専任のコンプライアンス担当者を新たに雇用しなければなりませんでした。
しかし、Bittrに新たな人材を雇用する余裕はありませんでした。
また、AMLD5では新たな申請を必要としており、Bittrは5,430ドルの費用と6カ月の期間が必要だとウォーターマン氏は主張しています。
さらにBittrが新たなKYCプログラムを導入するのに、8,400ドルが必要になります。
AMLD5で定められた手続きには、長い時間と多額の費用が必要となります。
そして、フィンテックの中小ベンチャー企業にとって、達成することが困難な項目も含まれています。
BittrはAMLD5による最初の犠牲者となりましたが、他にも多くの中小企業が同じ事態に直面しているかもしれません。
ベンチャーのフィンテック企業は、オランダ以外の国でも苦戦を強いられています。
規制当局はベンチャー企業の成功を妨げていると、ウォーターマン氏は強調しています。
まとめ
金融資産を扱う企業は、厳しい規制が必要です。
日本でも仮想通貨に対応した法整備が進められており、それができない企業は徐々に淘汰されているように感じます。
それが当然のことと感じていましたが、ヨーロッパでは日本とは感じ方が違うのでしょうか?
経営基盤が小さい中小企業が金融資産を扱うことに、あまり抵抗はないのでしょうか?
ベンチャー企業の成長を阻害するという負の一面もあると思いますが、仮想通貨界の発展のためにも、厳しい規制は必要不可欠ではないでしょうか。
(AMLD5の影響でオランダのビットコインプラットフォーム「Bittr」が閉鎖)