半減期の4日前に1万ドルの大台を突破
2020年5月7日、半減期まで残り4日となったビットコイン(BTC)の価格は、1BTC当たり1万ドルの大台を超えました。
仮想通貨の「暗黒の木曜日」とも呼ばれた今年3月12日には、1BTC当たり3600ドルまで一気に下落しましたが、その時と比較すると、現在は177%以上の値上がりを見せています。
同じ期間にビットコインほどの高騰を記録した金融商品や資産は、ごく一部の仮想通貨を除くと存在しません。
ビットコインの時価総額は1840億ドルを超え、毎日150億ドル分のビットコインが取引されています。
多くの投資家は、5月12日が予想されているビットコインの半減期が影響していると考えています。
半減期を迎えると、マイニング報酬は12.5BTCから6.25BTCへと半減します。
ビットコインの半減期は21万ブロックが形成されるごとに訪れ、その期間は約4年とされています。
ビットコインの半減期に関するレポート
今週、仮想通貨分析のMessari.ioと仮想通貨取引所Bitstampが、仮想通貨の半減期に関するレポートを発表しました。
そのレポートの中では、「マイニングの経済学」について説明されています。
半減期を迎えると、マイニングを行うマイナーが得られる報酬は50%減ります。
マイニングを行うために必要となるハッシュレート(計算能力)がどのように変化するかにも注目しており、レポートで次のように述べられています。
一日にして報酬が半分になるということは、事前にわかっているのでショックはありません。
しかし、半減することに対策を立てているかというと、そうとは言い切れません。
マイナーにとって、マイニング報酬が半分になるということは、2つある重要な要因のうちの一つでしかありません。
もう一つは、ビットコインの価格です。
マイニング報酬が半分になる影響を打ち消すためには、ビットコインが2倍の価格にならなければ、多くのマイナーに大きな影響を与えます。
高いハッシュレートを有し、効率の良いマイニングを行っているマイナーは、2倍の価格にならなくても事業を続けることができます。
しかしそうでないマイナー達は、損益分岐点を下回れば、マイニングマシンを止めざるを得ません。
契約などの制限から直ちにマシンを止めることができないマイナーも多くいますが、そのような場合でもやがて止めざるを得なくなります。
半減期の後の価格が気になるマイナー達
ビットコイン価格が1万ドルを超えたことはマイナーにとって何よりの朗報ですが、問題は半減期後の価格です。
ビットコイン価格が1万ドルの場合、一部のマイナーしか生き残れないとする専門家もいます。
ブロックチェーン企業のTradeblockが発表した最近の調査では、多くのマイナーにとって、1万2500ドル以上の価格にならなければ経営が難しくなるとしています。
半減期後のビットコイン価格については、2017年の2万ドルを大幅に超える暴騰を予想する専門家も、逆に暴落すると考える専門家もいます。
実際の価格はその時になってみないと分かりませんが、間違いなく言えるのは、多くの仮想通貨投資家は半減期後のビットコイン価格に注目しているということです。
まとめ
4年に一度のイベント「半減期」が、もうそこまでやってきています。
ビットコインに注目が集まるのと同時に、価格は徐々に上昇しています。
半減期後のビットコイン価格についても、多くの専門家が独自の分析で予想を発表しています。
多くの予想をまとめると、「半減期後に短期的に下落することはあるかもしれないが、その後大きく上がる」となるように思います。。
これまでにも予想もしなかった値動きを続けてきたビットコインなので、未来のことはその時にならなければ何とも言えません。
ただ、4年に一度の大イベントは、これまで仮想通貨について興味がなかった人にも、気付いてもらえるチャンスです。
多くの人に興味を持ってもらい、仮想通貨界が盛り上がるきっかけになるといいですね。
(2020年のマクロ経済の嵐とコロナウイルスの恐怖の中でビットコイン価格は1万ドルを突破)