仏中銀副総裁がCBDCの実証実験について説明
フランス中央銀行のデニス・ボー副総裁は、木曜日に行われたパリのブロックチェーン・サミットで講演し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の進捗状況について議論し、可能性のある規制の変更や法的枠組みについて触れました。
ボー副総裁は、一般市民向けのデジタルユーロのリリースについて、「実践的なアプローチ」が行われていると述べました。
フランス中央銀行は、今年初めに、CBDCの実証実験の提案募集を開始しました。
このプロジェクトは、フランス中央銀行がCBDCのリスクや仕組みを理解するとともに、ユーロ圏でのデジタル通貨の普及に貢献することが目的でした。
フランス中央銀行は、5月からソシエテ・ジェネラル(フランスのメガバンク)と緊密に連携し、プライベート・ブロックチェーン上でのデジタル取引や、有価証券のトークン化、決済のテストなどを行っています。
フランス中央銀行は現在、トークンが国境を越えたボーダレス決済に有効かどうかを分析していますが、ボー氏は、「コストがかかり、決済までに時間がかかり過ぎ、マネーロンダリング防止に不確実性をもたらす」と説明しています。
さらにボー氏は、次のようにも述べています。
今後、8種類のCBDCの実証実験が計画されています。
テクノロジーの可能性を調査するだけではなく、CBDCに適した金融商品の取引方法、クロスボーダー決済の改良、金融セクターの参加者のCBDCの利用などの基本的なテーマについて、次世代の姿を描きたいと思っています。
また、これらの実証実験は、現在の法的枠組みの中での取り組みとなっており、それらについても変更の必要性を検討するつもりです。
欧州中銀総裁がユーロ圏のCBDCの見通しを語る
2020年、欧州中央銀行(ECB)はデジタルユーロへの取り組みを強化しています。
最近では、クリスティーヌ・ラガルドECB総裁が、世界規模での決済を可能にすることや、ユーロ圏の小売業で利用できるCBDCについて検討していると発表しました。
ラガルド総裁は、デジタルユーロの実現によってユーロ圏がイノベーションの最先端に立てると考えていますが、欧州における金融決済の統合は進んでおらず、ユーロ圏外のプロバイダが中心にいることに警戒しているようです。
まとめ
世界のあらゆる国でCBDCの開発が行われており、既に実証実験が始まっているところもあります。
次世代のグローバルな金融を担うとされるCBDCは、各国が主導権を握ろうと力を入れています。
日本でも法整備などが進められているものの、ニュースなどから感じられるのは、中国や欧州、アメリカなどからは一歩遅れているような印象です。
経済大国としての地位を守るためにも、日本も積極的なCBDC開発への取り組みが必要です。
(フランス中央銀行の副総裁がCBDCの進捗状況や規制の変更についてコメント)