2020年5月12日午前4時39分
今年の仮想通貨界で最も注目されていたイベントの一つ、ビットコインの半減期を迎えました。
ビットコイン誕生から11年目の日本時間5月12日午前4時39分頃、63万番目のブロックが生成されました。
半分になった6.25BTCのマイニング報酬を受け取ったのは、中国のマイニングプール、アントプール(AntPool)でした。
2009年にジェネシスブロック(ビットコインの1番目のブロック)にナカモトサトシ氏が英タイムズ紙の見出しを書き込んだことへのオマージュとして、62万9999番目のブロックを生成したマイニングプール、f2poolは、米ニューヨークタイムズ紙の見出しを書き込みました。
- ジェネシスブロックにナカモトサトシ氏が書き込んだメモ
The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks
(イギリスタイムス紙 2009年1月3日 首相が瀬戸際の銀行に2度目の救済へ) - 62万9999番目のブロックにf2poolが書き込んだメモ
NYTimes 09/Apr/2020 With $2.3T Injection, Fed’s Plan Far Exceeds 2008 Rescue.
(ニューヨークタイムズ紙 2020年9月9日 米中央銀行制度は2008年の救済をはるかに上回る2.3兆ドルを投入)
半減期について簡単におさらい
仮想通貨の中で時価総額では圧倒的1位のビットコインは、時間の経過とともに新たな供給量を減らすように、21万ブロックが生成されるごとにマイニング報酬を半減させる設計となっています。
単一の組織が中央集権的な役割を果たすことができないため、ネットワーク上の取引処理や安全性の確保のために計算能力を提供する人(マイナー)への経済的インセンティブとして、マイニング報酬が支払われます。
ビットコインの歴史上3度目となる今回の半減期は、マイニング報酬が12.5BTCから6.25BTCに半減したことを意味しています。
最初は50BTCだったマイニング報酬は2012年11月に25BTCになり、2016年7月に12.5BTCになっていました。
半減期がマイナーにもたらす影響
ブロックは約10分に1つ生成されるため、1日に新たに発行され流通し始めるビットコインは、1,800BTCから900BTCになります。
半減期の時点で8600ドルで取り引きされていたため、全マイナーが得られる報酬の合計額は、1,548万ドルから774万ドルに減少します。
収入の減少は、電力代金を削減できる効率的なマイニングマシンを持たないマイナーの経営を圧迫することになり、ビットコインマイニングを支えるハッシュパワー(計算能力)は、大幅に低下すると予想されています。
ビットコインをマイニングするための難易度は、2,016ブロックごと、つまり約2週間ごとに、その期間に参加したマイナーのハッシュパワーによって、調整されるようにプログラミングされています。
まとめ
事前にわかっていたことではありますが、ビットコインはついに3度目の半減期を迎えました。
半減期を前にビットコイン価格はボラティリティが高い状態になっていましたが、今後もしばらくは不安定な状況が続くと思われます。
市場価格だけではなく、マイニング界でも動きがあるかもしれません。
小規模で利益を出しにくいマイナーは淘汰されることになりそうですが、しばらくするとマイニングの難易度が下がり、旧型のマイニングマシンでも利益を出せるようになるかもしれません。
実際に半減期の影響が目に見えて明らかになるまでには、数週間から数カ月かかると言われており、前回、前々回の半減期の際も、時間をかけて影響が現れてきました。
小さな動きに一喜一憂せずに、長期的な視点に立って、落ち着いて冷静な判断を下しましょう。